子供の頃、早春の楽しみのひとつはつくし摘みでした。
姉と一緒に籐製の買い物籠を持って、おやつに伊予柑を携え、京阪電車の土手近辺が私のテリトリーです。私なりに秘密の場所があり、その場所はある田んぼの10mほどの長さの小さな土手ですが、その土手一面につくしが生えていて、初めて見つけたときはもう大興奮したものです。
大体1回に籠二杯位摘んで帰ります。帰ると「はかま取り」の仕事です。
新聞紙を広げ、つくしを取り出し、1本ずつはかまを取り除きます。
何時間もかかって、手先をアクで真っ黒にしてはかまを除きます。
そして母がつくしの佃煮を炊きます。
つくしの佃煮は忘れられない母の味のひとつです。
今はつくし摘みをする場所もなく、スーパーで100g¥180〜150で売られるその一瞬を待ちかねて購入し、母の味を再現して楽しんでいます。
この時、たくさんのつくしの中から頭がかたくて、茎がずんぐり短く太い物を選んで、砂糖菓子を作ります。
砂糖菓子は作り方をなんとなく耳にしたのを試行錯誤して作り出したのですが、食して“すごく美味しい”とはいいがたいですが、珍なる味ではあります。
本当にこの季節ならではの御干菓子としては最適で、大事に大事にいただいています。
今年も作ってみました。
作り方は以下の通りです。機会があれば、作ってみてください。
珍なる御干菓子です。
|